ペットのお葬式をする人は年々増加しています。ペット葬儀にはさまざまな方法がありますが、仏教の方式が一般的な日本では、ペットの葬儀にも人間同様に火葬を希望される方が多いです。火葬といえば火葬炉を思い出す方も多いと思いますが、自宅に訪問して火葬を行ってくれる火葬用バーナーを内装したペット葬儀用の車も注目を集めています。
火葬車と火葬炉のどちらがいいのかを決めるためには、両方の特徴を知る必要があります。
また、安心してペットを見送るには業者選びが大切です。トラブルを事前に避ける方法についてもご紹介していきます。
目次
火葬炉と火葬車それぞれの特徴
火葬車と火葬炉はその名のとおり、どちらも遺体を焼くことで供養する方法ですが、両者では葬儀の流れが多少異なります。この章では、火葬車と火葬炉の特徴や葬儀方法の違いを比較します。
火葬車か火葬炉か
ペット火葬車と火葬炉の特徴には、それぞれメリット・デメリットが挙げられますので、ペット火葬をする際にはどちらがご自身の家庭に適切かを比較し判断する材料にしてみてください。
火葬方法 | メリット | デメリット |
ペット火葬車 | ・自宅の近くまで車で来てくれる ・時間の融通が利くので、忙しい方やスケジュールの 合いにくいご家族でも利用しやすい ・短時間で行える ・比較的低料金で葬儀ができる |
・近所トラブルの危険性 ・地域によって火葬できる場所の規制があることも ・大型犬など大きいペットだと火葬できないケースもある |
火葬炉(火葬場) | ・火葬場の設備が整っている ・人間同様の本格的な葬儀が行える ・霊園やお寺での納骨など火葬後の サービスも充実している ・個別火葬や合同火葬など、バリエーション豊富 |
・ほとんどの場合、葬儀場まで遺体を運ぶ必要がある ・葬儀費用が高くなる可能性がある ・時間がかかる |
ペット火葬車は利便性に優れていますが、公共の場所で火葬を行うので近所トラブルへ発展することもあります。
また、火葬炉の場合は費用が高くなりがちですが、大切なペットをしっかりと葬儀しその後の供養についても安心できるのが特徴です。予約し実際に本格的な葬儀を行うには時間がかかる可能性があることは注意しておきましょう。
火葬での葬儀の流れ
ペット葬儀の一種である火葬ですが、火葬車と火葬炉では葬儀の流れが異なります。どのような流れで葬儀が行われるのかを確認しましょう。
■火葬車の場合
①火葬車が迎えに来る
一般的なワゴン車の見た目をした火葬車がご自宅まで
出向いてくれます。直接持ち込むことも可能な
業者もあります。
②お別れをする
火葬前に最後のお別れをします。
③火葬車で火葬をする
自宅前での火葬ができない場合は、少し離れた
安全な場所で行うこともあるようです。
④遺骨回収
業者や選択するプランによっては、ペットの
遺骨を家族がもらい、自宅で供養することができます。
火葬車の焼却室は2段階に分かれており、ダイオキシンや臭いが発生しにくい構造で作られていますので、臭いや煙を気にする必要がないようです。
■火葬炉の場合
①火葬場に遺体を持ち込む
引き取りにご自宅まで出向いてくれる
業者もあるようです。
②お別れ
火葬の前にお別れをします。
③火葬する
合同火葬・個別火葬などの
火葬方法に従って火葬をします。
④遺骨の返骨
合同火葬の場合はそのまま遺骨を埋葬することが多いです。
立会火葬の場合はご家族が収骨をすることもあるようです。
火葬炉での葬儀は火葬方法や依頼する業者によっても異なるので、依頼する前に業者に連絡して方法を聞いておくと安心して預けられるでしょう。
火葬を依頼するときの注意点
ペット葬儀の需要が高まることに対して行政の法整備が追い付かず業者とのトラブルは増加傾向にあるようですが、少しずつ安心してペット葬儀ができる仕組みが作られてきています。
ペットブームが起きてから10年間で条例を整備した自治体の数は3倍に増え、2011年には動物葬儀ディレクターと呼ばれる資格も作られました。警察でも取り締まりを厳しくする動きがあり、検挙数は年々増加しているようです。
飼い主が悪徳業者を利用しないよう気を付けることができれば、より一層ペット葬儀業界は健全になるでしょう。
悪徳業者を回避するためには、いったいどのようなことに注意したらよいのか、一緒に見ていきましょう。
起こり得るトラブル
悪徳業者の被害の例としては、まず不当な料金の請求が挙げられます。悪徳業者は火葬が終わった後に追加料金を請求したり、霊園への納骨を強く勧めてきたり、位牌などの仏具を高額で購入させようとしたりする傾向があります。
また、遺骨を不法投棄する、廃棄物として出すなど、お金を出して供養しようとしているペットのご家族の思いを踏みにじるような行動をとることもあります。
良い業者を見つけるには
大切なペットの葬儀をできるだけよいものにするには、真心を持った良質な業者を見つけなければなりません。良い業者を見つけるために特に注目すべきポイント2つをご紹介します。ペットの自宅での安置の限度は、亡くなってから2、3日と言われています。
なるべく早く、ベストな選択をできるように、できれば亡くなる前から各業者の情報収集や業者選びを始めておくといいでしょう。
事前に見積もりをしてもらう
火葬をしてもらえる業者をインターネットなどで探してみましょう。ホームページでおおよその料金を確認することができます。料金を明確にするためには、業者に連絡を取り、見積りを依頼します。見積もりをすることで、料金や葬祭方法を詳しく知ることができます。
見積りをしてもらうときには、葬儀後にオプションの料金を請求されることを防ぐためにも葬儀にかかる合計金額を書面として提示してもらえればより安心できます。
また、複数業者間で相見積りをすればより良い判断ができるはずです。反面、相見積りは時間がかかるので、ペットが亡くなる前から業者をある程度まで絞っておき、連絡もしておくなど、事前に準備をしておくのがいいでしょう。
業者の口コミを見る
大々的に広告をしている業者だからといって必ずしも信頼を置けるような業者であるとは限りません。葬儀の質は広告からは知ることができないからです。そこでいい判断材料になるのが口コミです。葬儀を依頼した方がどんな感想を持っているのかを聞いて判断するのです。
友人や近所の方などの知り合いに以前ペット葬儀をしたことがある人があれば、その方から業者の情報や感想を聞くのが有効です。
実際にどういう体験をしたか、どう感じたかを聞くことで、業者の当日の対応の善し悪しと信頼性を判断することができます。
まとめ
今回の記事についてまとめてみました。
・ペット火葬車は利便性と価格が魅力的
・火葬炉での葬儀はサービスの種類が豊富で
アフターサービスも充実
・良質な業者を見つけるためには、見積もりと
口コミを聞くことが重要
・ペットが亡くなる前から葬儀の準備をしておけば
焦ることなく満足のいく葬儀を進められる