猫とのお別れが来るのは誰もが考えたくないことですし、そんな日が来てほしくないと思うものです。しかし、最後まで一緒にいてあげるためには猫の死ぬ前の行動を知っておくことも大切です。
この記事では猫が死ぬ前の行動について紹介します。愛する猫ちゃんのためにも、ぜひご一読ください。
目次
猫が死ぬ前に飼い主さんに見せる行動とは?
まずは、猫が飼い主に見せる死ぬ前の行動をご説明します。ご自宅の猫の様子が普段と違うときは、以下のような行動を取っていないかチェックしてみましょう。
いつもと違う声で甘えるのは感謝のサインかも
普段はそっけない猫ちゃんが、いつもと違う鳴き声で甘えてくる。こんな行動をするときの猫は、飼い主さんに甘えたい気持ちが高まっています。そして猫は死ぬ前もこのような行動を取ることがあります。
甘えた声で鳴いているからといってすぐに心配する必要はありませんが、明らかに普段と違った甘え方をする場合は、猫の様子をよく観察しましょう。死ぬ前に飼い主さんへ感謝の気持ちや愛情を示したい、そんな猫の気持ちが潜んでいる場合があるためです。
うろうろして隠れ場所を探す
いつもは隠れたりしない猫が、押し入れや家具の隙間などの目立たない場所に入り込もうとしている、または部屋の中をうろうろして隠れる場所を探している。
このような姿も、猫の死ぬ前に現れる行動の一つです。このように姿を隠そうとする行動にも、理由があります。
猫は本来、野生の動物です。死ぬ前の猫は弱っているため、敵に襲われたとしてもそれに対抗する体力がありません。このように隠れる場所を探すのは、猫が弱ってしまった自分の身を守るためにしているのです。
そもそも猫は具合が悪いのを隠そうとする動物
猫が死ぬ前に飼い主さんに見せる2つの行動について確認しました。どちらも一見すると具合が悪いとはわからないような行動ですが、それもそのはず。猫は本来、自分の具合が悪いことを隠そうとする動物なのです。
その理由は、猫の防衛本能が働くからです。もしも猫が、自然の中で生きていたとしたらどうでしょうか。弱った猫は、すぐに敵から狙われることでしょう。
自分の弱った姿を見せるのは、猫にとっては命に関わる危険なことです。そうした本能から、猫は体調不良を隠そうとするのです。
猫ちゃんの死期が近づいたときのサイン
こういった自分の本能から体調不良を隠す猫ですが、猫の死期の行動にはいくつかのパターンがあります。これらのパターンを理解していれば、わかりづらい猫の体調の変化にも気づきやすくなるかもしれません。
死期が近づいたサインとなる猫の行動について、ご紹介します。
口呼吸をしている
猫が口呼吸をしているときは、体調が悪い場合が多いです。息が苦しいとき、体温が高いようなときに見られる行動です。
健康な猫でも、ほかのネコと喧嘩した後や走り回った後に呼吸が乱れて口呼吸になることもあります。しかし呼吸の乱れる原因がわからないときや、老衰した猫が口呼吸をしている場合は、なにかしらの原因で体調を崩しているサインです。
心拍数が減少する
いつもより心拍数が減少している猫は、死期が迫っている場合があります。心拍数の低下から、心臓の機能が低下していることがわかるためです。
心拍数といっても、その把握の仕方がわからないと困ってしまいますよね。猫の心拍数は、後ろ足の太ももに手を当てると把握できます。
左右どちらかの太ももの、太い血管に指を触れることでドクンドクンという、猫の心臓の鼓動を読み取ることができるのです。健康な猫の心拍数は、1分に90~240回が目安とされています。
明らかに痩せた
「元気だった猫が、明らかにやせ細ってきた……」そんな様子も、猫の体調不良のサインです。特に、食事はしていても痩せてしまうようなときは注意が必要です。
元気な猫が食事をしていても痩せてしまうのは、何らかの病気にかかっている可能性があります。猫が痩せてきて心配なときは猫の排便の様子もチェックして、まずは猫の体調をよく観察しましょう。
毛づくろいをしなくなった
グルーミングと呼ばれる、猫の毛づくろい。毛づくろいは、猫が生きて行くために欠かせない行動です。自分の体の清潔を保って体臭をなくし、敵や獲物に存在を気づかれずに狩りができるようにしているのです。また毛づくろいは、猫の気持ちの安定にもつながっています。
そのような大切な意味のある毛づくろい。「最近のうちの猫、毛づくろいをしなくなったな…。」そんなときは、猫が体調を悪くしている可能性があります。
まれに肥満で体が曲がらなくて毛づくろいができない場合もありますが、猫が毛づくろいをしなくなったときは猫の体調不良を疑ったほうがよいでしょう。
ご飯を食べない
普段よく食べる猫がご飯を食べなくなったときにも、注意が必要です。食欲低下の原因が、病気の場合があるためです。
猫がご飯を食べない理由は、病気以外にもエサの好みやストレスによることもあります。ですので、ご自宅の猫が普段と同じエサと環境でもご飯を食べなくなった場合は、病気の可能性があるといえるでしょう。
粗相をする
普段トイレでおしっこをしている猫が、自宅の床などほかの場所で粗相をするのも、猫の不調のサインです。猫のなりやすい病気として、泌尿器系の病気があります。
トイレが汚い場合やトイレで投薬などの嫌な経験をした場合も、猫の粗相の原因になります。しかしトイレにこのような原因が認められないときには、猫の体調をよく確認してみましょう。
目の焦点が合わない/目に力がない
愛する猫ちゃんと、最近視線が合わなくなった。このようなとき、猫の目に異常があることも考えられます。猫の目の焦点が合わなかったり、目に力がなかったりといった症状は、猫の目の不調のサインです。
目の不調は、その背景に重い病気が潜んでいることもあるので気をつけましょう。
猫の目の不調は、飼い主でもなかなか気づけないサインです。それは、猫は目のほかにも鼻や耳の感覚が優れているからです。そのため、普段の猫は視力が低下してしまったとしても嗅覚や聴覚だけで、目に異常がないときと同じように行動できます。
それでも目の不調に気づくようなときは、目の不調が進んでる証拠です。病気が進行する前に、獣医へ連れて行くなどの対策を取りましょう。
最期を家で看取るべきか、病院へ連れて行くべきかという問題
ここまで死期が近づいているサインとなる猫の行動について、確認してきました。猫の死を考えるとき飼い主さんが悩むのは、猫の最後を家で看取るのか、それとも病院へ連れて行くかという問題ではないでしょうか。
「愛する猫だからこそ、最後は猫にとってよい方法で看取ってあげたい。」そんな気持ちを抱く飼い主の方もきっと多いかと思います。
自分たち家族と暮らした思い出のある自宅で看取るのか、最善の医療を尽くして看取るのか、どちらを選ぶのかは飼い主さんによって異なります。
ご家族もいる場合は、家族で猫の最後の看取り方について話し合っておくとよいでしょう。そうしてあらかじめ看取り方を決めておくことで、猫との悲しいお別れもなるべく後悔のないかたちで迎えることができるはずです。
家族で相談しておく以外にも、もしもの場合に備えて、利用する獣医さんを決めておくのも大切です。緊急のときもすぐに見てもらえる獣医さんが近くにあれば、猫の看取り方について獣医さんへ相談することも可能でしょう。
亡くなった後に慌てないためにも、できることを今のうちから
猫の死ぬ前に取る行動や体調不良のサインについて、ご説明しました。お別れのときを想定するのはとても苦しいですが、愛する猫を後悔のないように見送るには、こういった知識は無駄にならないはずです。
心を込めた猫の見送り方として、猫の供養について考えておくことも大切です。近年ではペットの供養を引き受けている業者もあるので、そういった業者のプランを調べておくこともできます。
猫の看取り方を決めるときに供養についてもある程度考えておけば、猫にもしものことがあっても落ち着いた最後のお別れができるかもしれませんね。
まとめ
この記事では、猫との生活を安心して過ごすために知っておきたい死ぬ前の行動についてご紹介してきました。これまで紹介してきた行動を知っておくと、いざというときに慌てずに最後の大切な時間を猫と過ごすことができるのではないでしょうか。
猫の死ぬ前のそれぞれの行動には、理由があります。猫の体調不良を見極めるためのいくつかのサインを確認し、わかりづらい猫の体調を知る手がかりにしていただけたらと思います。
猫とのお別れは悲しいですが、そういった日が来ることを意識すると猫ちゃんとの毎日がより大切に思えてきますよね。これを機に、愛する猫ちゃんとの仲をさらに深めていただけたらと思います。