愛する犬を亡くしてしまったとき、たくさんの方が選ばれるのが埋葬です。火葬したあとのお骨を霊園に預けて埋葬してもらう方もいれば、自宅で埋葬してあげたいと考える方もいらっしゃいます。
埋葬にはさまざまな方法があります。自宅に埋葬する方法や火葬をしない土葬、火葬をおこなったあとの埋葬など、埋葬について詳しくご紹介していきます。埋葬後にしなければいけないことにも触れていきますので、埋葬を考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
自宅での犬埋葬なら【庭】火葬をせずにおこなうことは可能?
ペットの犬が亡くなり、「できるだけそばにいたい」「霊園に預けるとお参りするのが難しくなるから」といった理由により自宅で埋葬したいと考える方もいることでしょう。自宅で犬の埋葬をおこなう際は、自宅の敷地内である庭がおすすめです。ここでは火葬をおこなった場合としなかった場合の埋葬方法を紹介します。
火葬をして埋葬する方法
まずは火葬を依頼したあとに、返骨をしてもらい、自宅に埋葬したいといった場合の方法から確認していきましょう。
1. 埋葬場所を決める
埋葬場所には、日あたりがよく、ご家族が踏んでしまわない場所を選びます。
2. 穴を掘る
土を掘り起こし、お骨を埋めるためのスペースを確保します。穴は30センチメートル以上の深さが理想です。
3. お骨を埋める
お骨を骨壺から取り出し、そのまま、または天然繊維でできた布で包んで穴の底に置きます。土で覆うときは、雨で土がへこむことがないように、ゆるい山形になるように土を盛るのがポイントです。
4. 墓石を立てる
必要であれば、墓石を立てましょう。卒塔婆はもちろん、近くで見つけた石や木に名前を書いて立てるだけでも十分でしょう。
5. 骨瓶と骨袋を処分する
陶器であれば燃えないゴミとして、それ以外なら燃えるゴミとして処分してかまいません。
6. お祈りする
命日にはお線香をあげるなどして、お祈りしてあげましょう。
自宅で埋葬するときのポイントは、お骨を骨壺から取り出して埋葬することです。骨壺のなかに遺骨をいれたまま埋めることできないというわけではありませんが、衛生面を考慮すると別々にした方がよいでしょう。
骨壺にいれたままでは、壺にさえぎられて遺骨が土に還ることができず、土中の虫や水が侵入しカビなどが発生する可能性が高くなってしまいます。
火葬をせずに埋葬する方法
火葬をおこなわずに埋葬することは、「土葬」と呼ばれます。人間の土葬は基本的に禁じられていますが、ペットの場合は私有地内であれば土葬することができます。土葬の方法はこのような方法でおこないます。
(1)私有地内で埋められる場所を決める
犬を横たわらせられるだけの幅を確保しましょう。土を深く掘れる場所であるかにも注目して場所を選びます。
(2)1メートル以上の穴を掘る
土葬で気をつけたいのが死体のにおいです。近隣の方に迷惑になったり、野生の動物や鳥が掘り起こしたりしてしまう可能性がありますので、1メートル以上の深い穴を掘ります。
(3)穴の底にタオルを敷く
穴の底に天然素材でできたタオルを敷きます。化学繊維の布で遺体を包むと土に還りにくくなるので注意が必要です。
(4)遺体を置き、土を盛る
犬の遺体をタオルの上に載せ、土で埋めます。山なりになるように埋めてあげましょう。
土葬の際に注意しなければならないのは、埋める場所です。先にお伝えしたとおり、動物を土葬できるのは私有地だけです。他人の土地や、公園などの公共の場に埋めるのは法律違反になりますので、場所を決める際には注意しましょう。
大きな犬を土葬する場合や、都心部での土葬を考えている場合は、場所を確保するのが難しいかもしれません。火葬を検討することをおすすめします。
火葬の依頼先や費用|葬儀業者なら霊園に埋葬ができる
埋葬する前に火葬するときは、2つの選択肢があります。
ひとつ目が自治体で火葬してもらう方法です。ペット向けの火葬場が設備されている自治体もあれば、火葬場がなくゴミとしてお金を払って燃やしてもらわなければならない自治体もあります。住んでいる自治体ではどのように火葬場を利用できるのかをしっかりとチェックして決めることが大切です。
自治体での火葬の場合は、火葬場まで自分で遺体を運ぶ必要があります。
ペット向けの火葬場がある自治体ではほとんどの場合は返骨してもらえるようですが、ゴミとして処分してもらう場合は返骨してもらうことは不可能です。細かい利用方法については各自治体によって異なりますので、事前に問い合わせるなどして確認しておきましょう。
もうひとつが、ペット葬儀業者に依頼する方法です。
この場合、あらゆる火葬方法があります。火葬方法それぞれに特徴があるので、飼い主の考えに合った方法を選びましょう。
合同火葬の場合、遺骨がほかの方のペットと混同してしまうので、基本的には共同墓地での埋葬になります。個別に埋骨したいときや、返骨してもらって自宅で埋葬したい場合は合同火葬以外の方法を選ぶようにしましょう。
ペット葬儀業者に依頼すると、火葬後は返骨のほかに、墓地や霊園で埋葬してもらうという選択肢もあります。自分で埋骨したいのか、霊園でしっかりと管理してもらいたいのかなど、ご自分の考えに合わせた埋骨方法を選ぶことができます。
・合同火葬
複数の遺体を一緒に火葬する方法です。費用は約15,000~40,000円かかります。
※遺体の大きさによって費用は変動するため、目安としてお考え下さい。
・個別火葬
個別に火葬してもらう方法で、立ち会いできるかどうかは葬儀プラン次第です。費用は約22,000~45,000円となります。
※遺体の大きさによって費用は変動するため、目安としてお考え下さい。
・火葬車
火葬炉を搭載した火葬車を手配して火葬する方法です。費用は約20,000~45,000円となります。
※遺体の大きさによって費用は変動するため、目安としてお考え下さい。また、遺体が大きすぎる場合、火葬車による火葬が難しいケースもあるため、心配な場合は事前に確認を取っておきましょう。
合同火葬の場合、遺骨がほかの方のペットと混同してしまうので、基本的には共同墓地での埋葬になります。個別に埋骨したいときや、返骨してもらって自宅で埋葬したい場合は合同火葬以外の方法を選ぶようにしましょう。
ペット葬儀業者に依頼すると、火葬後は返骨のほかに、墓地や霊園で埋葬してもらうという選択肢もあります。自分で埋骨したいのか、霊園でしっかりと管理してもらいたいのかなど、ご自分の考えに合わせた埋骨方法を選ぶことができます。
犬が亡くなったら届け出を忘れずに!
犬を飼う主には、「畜犬登録」を申請しなければならないという義務があります。生後91日が経った時点で登録するように義務付けられている「畜犬登録」は、犬が亡くなったあとに解除する必要があります。
「廃犬届」は亡くなった日から30日以内に出す必要があります。届け出を提出する際には、地域の保健所にいき、鑑札と注射済の証明証を一緒に提出します。また、血統書が登録されている犬が亡くなった場合には血統書を発行してもらった団体に連絡することも大切です。
提出を忘れると、飼い主に年に一度届く、病気予防注射の案内などが亡くなったあとも届いてしまいます。忘れないよう、できるだけ早く手続きを済ませておきましょう。
まとめ
火葬した遺骨を自宅または霊園に埋めてあげる方法や、火葬をせずお庭などに埋葬してあげる方法など、埋葬にはさまざまな方法があることがおわかりいただけたと思います。
さきに火葬をする場合にも、自治体で火葬する場合とペット葬儀社に依頼する場合に分けられるので、飼い主が一番よいと思える方法でお見送りしてあげましょう。火葬方法によっては返骨してもらえず、埋葬できなくなる場合もあるので注意が必要です。
埋葬のほかに、届け出を提出することも大切です。亡くなったあと30日以内に廃犬届を提出することを忘れないようにしましょう。