最近は、ひとり暮らしでもペットを飼っているという方を多く見かけます。犬や猫はもちろん、うさぎをペットとして飼っているという方もいるのではないでしょうか。
うさぎは、犬や猫と比べると短命な生き物です。それでも、家族のように大切な存在であるペットには、できるだけ長く生きてほしいと思いますよね。
この記事では、うさぎの寿命、うさぎに多い病気やケガとその対策など、うさぎに長生きしてもらうために役立つ情報をまとめました。長生きのヒントとなる「終活」についてもご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
うさぎの平均寿命
みなさんは、うさぎの平均寿命がどれくらいなのかご存知でしょうか。ペットとしてうさぎを飼っていくうえで、育て方を考えるためにも寿命について理解しておくことが大切です。
うさぎの平均寿命は5~8年
うさぎの寿命はそれぞれの個体に違いがありますが、一般的に5年から8年だといわれています。しかし、近年うさぎの飼育環境が向上したこともあって、10年以上生きることも多くなっているのです。
品種によって寿命は違う?
うさぎは、公認されている品種だけで49種類存在しています。品種によって見た目が大きく異なっていますが、ペットとして飼われているうさぎに関しては先祖が同じアナウサギのため、品種による寿命の違いはほとんどありません。
うさぎの寿命は品種によって左右されるものではなく、一般的な5年から8年に加えて飼い方が大きく影響するということです。
うさぎに多い病気やケガ
うさぎはデリケートな生き物でありながら、病気やケガによる体調の悪さを隠そうとする習性があります。そのため、日ごろから飼い主がうさぎの様子をしっかりと観察してあげることが大切です。では、うさぎに多い病気やケガにはどのようなものがあるのでしょうか。
・毛球症
うさぎは、毛づくろいのときにできた毛玉を、体の中から自力で出すことができません。そのために、毛玉がどんどん消化管にたまっていってしまうという病気が「毛球症」です。毛玉がたまってしまうと、嘔吐することもあります。
・骨折、脱臼
うさぎのケガでもっとも多いのが、骨折と脱臼です。うさぎは骨が非常に弱く、ちょっとしたことで骨折や脱臼を起こしてしまうのです。また、骨折や脱臼が原因で亡くなってしまうこともあるため、非常に危険です。
そのため、歩き辛そうにしていたり足を引きずっていたりと、うさぎの足に異変を感じた場合は、すぐに動物病院で診てもらいましょう。
・胃腸うっ滞
デリケートな生き物であるうさぎには、ストレスを感じやすいという特徴があります。ストレスなどがきっかけで起こる「胃腸うっ滞」は、うさぎがかかりやすい病気のひとつです。
胃腸の動きが止まることで、ガスなどがお腹にたまってしまうことなどが、症状として挙げられます。うさぎが胃腸うっ滞にかかってしまうと、エサを食べなくなり排せつ物の量も減ります。このような症状がうさぎに見られたら、すぐに動物病院で診てもらうようにしてください。
・子宮疾患
メスのうさぎであれば、子宮疾患にかかるおそれがあります。子宮疾患にかかったうさぎは、血尿と普通の尿を繰り返すようになります。このとき、多量に血尿が出ている場合は、子宮疾患にかかっている危険性が高いでしょう。子宮疾患が悪化すると、呼吸困難に陥ることもあるため、すぐに動物病院で診てもらうようにしてください。
・流涙症(りゅうるいしょう)
流涙症とは、目と鼻に続いている涙を通すための管がなんらかの原因で詰まることで、涙を鼻に逃がすことができなくなり、目から涙が流れ続ける病気のことです。流涙症にかかると、涙を溜めるための袋が炎症を起こして、目が腫れたり膿が出たりしてしまいます。
流涙症は、うさぎから涙が流れ続けていたら、動物病院に相談しましょう。
うさぎに長生きをしてもらうためには?
家族同然の大切な存在であるからこそ、うさぎにはできるだけ健康に長生きしてもらいたいですよね。病気やケガにかかりやすいうさぎですが、日ごろからいくつかのポイントを意識しておくことで、長生きさせてあげることができます。
1.健康状態をチェック
若いうちは、病気やケガをすることも少ないのでそれほど心配する必要はありません。しかし、5歳を過ぎたころから、老化と共にさまざまな病気にかかりやすくなるので注意が必要です。
とくに、以下のような症状がうさぎに見られる場合は、なんらかの病気やケガが考えられるので、一度動物病院で診てもらうのがよいでしょう。
- 排せつ物が少ない
- 体にしこりがある
- ずっと走り回っている
- まったく動かない
うさぎの病気やケガは、対処の早さによって結果が大きく異なります。普段からうさぎの健康状態をチェックしておき、ちょっとした異変でもすぐに気づけるようにしましょう。
2.避妊手術をする
メスのうさぎは高齢であるほど、子宮疾患の発生率も高くなります。4歳以上のメスうさぎの場合、半数以上が子宮がんになるという報告もあるほどです。
子宮疾患の厄介な点として、うさぎ自身に体調の変化がほとんど見られないということがあります。うさぎの状態から判断することは難しいので、子宮疾患の予防として避妊手術をしておくとよいかもしれません。
3.ストレスを少なくする
うさぎにとってストレスは万病のもとです。ストレスが原因で毛づくろいが多くなれば、毛球症や胃腸うっ滞にかかってしまうおそれがあります。
基本的にうさぎは、大きな音や激しい温度変化にストレスを感じやすい生き物です。そのため、できるだけうさぎが落ち着いて生活できるように配慮してあげることが大切です。
4.食事に気をつける
うさぎに長生きしてもらうためには、普段の食事が大切です。うさぎの餌にはさまざまな種類がありますが、同じものをずっと与えるのではなく、いろいろな種類の餌をあげて栄養が偏らないようにしてあげましょう。
基本的にうさぎは歯の健康を保つためにも、よく噛んで食べる必要のある牧草を与えることが重要です。しかし、牧草ばかり与えていると栄養が偏ってしまうため、たまにペレットフードをあげるようにするのがよいでしょう。
逆にペレットフードばかりを与えると、歯の健康が保てなくなるおそれもあるのです。こういった事態を防ぐためにも、うさぎの餌はバランスよく与えるようにしましょう。
ペットの「終活」も長生きのヒントに
みなさんは、ペットの終活という言葉を聞いたことはありませんか。ペットの終活とは、大切なペットが最期の日を迎えるまで、生前整理や葬儀の準備などをおこなうことです。ペットが亡くなってから、「もっとこうしてあげればよかった」と後悔しないためにも、今のうちから終活について考えてみましょう。
いつごろ始める?
ペットの終活は、終活ノートを作って始めるのがおすすめです。終活ノートとは、ペットの持病の有無や葬儀方法などを、年齢にあわせてまとめておくためのものです。毎日書くようなものではないので、終活ノートを作る時期はいつでもかまいません。
ひとつのタイミングとしては、時間に余裕があり、ペットの終活を始めようと思い立ったときがおすすめです。この記事を読んで、「今からペットの終活を始めたい」と思ったのであれば、まずは終活ノートづくりから始めてみてはいかがでしょうか。
ペットの終活に必要なこと
ペットの終活を考えていくうえで大切なのが、「飼い主の意志をはっきりと周囲へと伝える」ことです。もし、自分がペットを残して先に亡くなってしまった場合、なにも準備をしていなければペットが露頭に迷ってしまいます。
ペットの終活では、ペットの引き取り先を決めたりペット保険に加入したりして、病気になったときに治療が受けられる体制を用意しておいてあげましょう。
ほかにも、終活ノートにペットの名前や性別、持病の有無などをまとめておいて、ペットの面倒を見るうえで必要な情報が誰でもわかるように準備しておいてください。
葬儀についても考える
ペットの終活は、生きているときのことだけでなく、亡くなったあとのことも考えておくことが大切です。ペットの葬儀にはさまざまな種類があり、内容によって費用も異なります。土葬や火葬などの埋葬方法に加えて、どのように供養するのかもしっかりと考えておきましょう。
まとめ
うさぎの寿命は、一般的には5年から8年だといわれています。しかし、近年では飼育環境が向上していることもあって、10年以上生きることも珍しくはありません。
品種による寿命の違いもほとんどないので、うさぎに多い病気やケガを飼い主が理解し、しっかりと健康状態をチェックしていれば長生きさせることが可能なのです。
また、今のうちからペットの終活について考えておけば、自分やペットの身になにかが起きても悔いの残らない対応ができます。終活ノートやペット保険などに加えて、葬儀のことまでしっかりと考えておきましょう。
ペットの葬儀には、さまざまな形式やプランがあります。ひとりでよくわからないまま選んでしまうと、大切なペットとのお別れに悔いが残ってしまうかもしれません。大切なペットの葬儀について考えるのであれば、ペット葬儀業者に相談をしてみてはいかがでしょうか。